カワモズクという藻類をご存じでしょうか。その名のとおり、川に生育するモズクです。ただし、私たちが食べる海藻のモズクの仲間ではありません。海藻のモズクはワカメやコンブと同じ褐藻類ですが、カワモズクは淡水産の紅藻類です。

 カワモズク類は環境省のレッドデータブック(RDB)で、その20種が絶滅のおそれのある生物に選定されています。北海道からは、クシロカワモズク(Batrachospermum kusiroense)、ホソカワモズク(B. turfosum)、アオカワモズク(B. helminthosum)の生育が報告されています。クシロカワモズクは、釧路湿原で最初に発見されたことから、この名前がつきました。本種の報告は全国で数例しかなく、環境省RDB2014では絶滅危惧I類(絶滅の危機に瀕している種)とされています。ホソカワモズクも湿原に生育します。アオカワモズクは全国に広く分布します。

 北海道からカワモズク類の生育について報告例が少ないのは、まだ十分に調査されていないからだと思います。カワモズク類は渓流や湧水のある場所で、水中の石などに着生します。本州ではおもに冬から春にかけて見られます。河川の源流域や湿原に出かける機会があれば、ぜひ探してみてください。       投稿 kawamozuku

写真 アオカワモズク(Batrachospermum helminthosum

属名のBatrachospermumはラテン語で、Batrachia(カエル)+ sperm(卵)。カエルの卵塊のように、触るとヌルヌルしています。

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